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「誠実さ」というスキルは、自力で身につけられる?― 助産学共用試験と回避行動の話 ―

助産学共用試験 誠実さというスキル 看護学実習 東京都立大学助産学専攻科 昭和医科大学助産学専攻科 OSCE

※この記事は、将来、難関助産学専攻科を本気で目指す看護学生、および助産学共用試験を前に不安を感じている方向けに書いています。


助産師を目指す中で、

「正直に報告すること」「”分からない” ”できない”と言うこと」が

思っている以上に難しいと感じたことはありませんか。


2026年度から始まる助産学共用試験では、

こうしたときの振る舞いそのものが評価の対象になります。


noteの記事では制度の概要を解説しましたが、

この記事では、

なぜ「誠実さ」がこれほど重視されるのか、

そして、頭では分かっているのに

行動できなくなってしまう背景について、

心理的な視点から整理していきます。




助産学共用試験で、実は一番つまずきやすいポイント

助産学共用試験、とくにOSCEでは、知識や手技だけでなく、


  • わからないことを、わからないと言えるか

  • ミスをしたとき、正直に報告できるか

  • 想定外の出来事に、落ち着いて対応できるか


といった態度や振る舞いが評価されます。

ここでつまずく学生さんには、実はよく似たパターンがあります。


頭では分かっているのに、体が動かない


  • 正直に報告しなければいけないのは分かっている

  • ごまかすのは良くないとも思っている

  • 次はちゃんとしよう、と何度も反省している


それなのに、


  • いざその場面になると声が出ない

  • 咄嗟に誤魔化してしまう

  • あとから強い自己嫌悪に襲われる


もし、これに心当たりがあるなら、それは気合や根性の問題ではない可能性があります。


それは「回避行動」という反応かもしれません


ここで使っている「回避行動」という言葉は、診断名ではありません。

不安や恐怖、強い緊張を感じたときに、その不快感から逃れるために起こる行動のパターンを指しています。


  • 怒られるのが怖い

  • 評価されるのが怖い

  • 失敗を突きつけられるのが怖い


こうした感情が先に立ち、考える前に体が固まってしまう。あるいは、その場をやり過ごす行動を取ってしまう。

これは甘えでも、怠けでもありません。

過去の経験や環境の影響で身についた、学習された反応です。

そして厄介なことに、本人の意思とは関係なく、自動的に起こるという特徴があります。


なぜ助産師教育では、ここが致命的になるのか

助産師に求められるのは、「失敗しない人」であることではありません。

むしろ重要なのは、不完全な状態を、そのまま扱える人であることです。


  • 分からない

  • 間違えた

  • 想定外が起きた


これを隠さず、共有できるかどうか。

助産の現場では、この一点が母子の安全に直結します。

だから助産学共用試験では、「誠実に振る舞えるかどうか」が安全管理の基準として評価されるのです。


「努力すれば何とかなる」段階と、そうでない段階がある


ここで、とても大切なことをお伝えします。

もしあなたが、

  • 緊張はするが、意識すれば報告できる

  • 怖いけれど、練習を重ねれば改善できる

このレベルであれば、経験や訓練によって十分に対応できます。


一方で、

  • 恐怖で頭が真っ白になる

  • 気づいたら誤魔化している

  • 毎回「次こそ」と思うのに、同じことを繰り返す


この状態が続いている場合、一人で何とかしようとする方がリスクになることもあります。


認知行動療法という、現実的な選択肢


回避行動に対して有効とされている支援の一つが、認知行動療法です。

これは、


  • 性格を変える

  • 前向きに考えさせる


といったものではありません。

  • 不安が生じる仕組みを理解する

  • 反応のパターンを少しずつ調整する

  • 現実的な行動の選択肢を増やす


という、技術的なアプローチです。


「誠実さ」は、生まれつきの性格ではなく、後から身につけることができるスキルでもあります。


学生相談室(カウンセリングルーム)は「使える資源」


多くの学生さんが誤解していますが、学生相談室は


  • メンタルが弱い人のための場所

  • 問題を起こした人が行く場所


ではありません。


学生相談室の特徴


  • 原則無料(学費や厚生費に含まれていることが多い)

  • 守秘義務がある

  • 学内事情や実習の実態を理解している

とくに、実習・評価・教員との関係が絡む悩みは、学内の心理職の方が文脈を共有しやすい場合が多いです。


私自身も、プロの力を借りました


私自身、学生時代に心理職のサポートを受けた経験があります。

一人で抱え込まず、「専門家に任せる」という選択をしたことで、自分の反応を客観的に扱えるようになりました。

それは、助産師として働く上でも、今も大きな支えになっています。


「助けを求める」は、医療者としての技術です


誠実さとは、完璧であることではありません。

必要なときに、必要な助けを使えること。

それもまた、医療者として欠かせないスキルです。


最後に|準備できる人になるという選択


助産学共用試験は、あなたを落とすための試験ではありません。

現場で、患者さんとあなた自身を守れるか。

その最低限の基準を確認する試験です。

この記事を読んで、「このままで大丈夫だろうか」と感じたなら、それはすでに準備を始められる段階にいるということ。


人の認知や行動は、なかなか急には変えられません。

看護学部低学年の頃から少しずつ、自分の行動を振り返り、整えていくと笑顔の助産師学校生活につながると思います。



みあれAcademy プロフィール


2018年から関東の助産学専攻科を中心に受験指導を開始

以降、8年間連続で難関助産学専攻科の合格者を輩出

大手予備校の集団講義では対応の困難な、アセスメント論述式の試験対策を中心に指導を実施


学校では教えてもらえない「アセスメントのお作法」教えます

「合格で燃え尽きない、入学後も役に立つ知識の習得」がコンセプト



⭐️合格実績校⭐️

東京都立大学助産学専攻科(8名)

昭和医科大学助産学専攻科(6名)

茨城県立医療大学助産学専攻科(3名)

獨協医科大学助産学専攻科(2名)

聖路加国際大学大学院(1名)

 その他多数

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